烏骨鶏物語にようこそ

7番目の噺

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7番目の噺

 野生の猛女ララ登場

 12月19日金曜日、凛太郎に嫁がやってきた。
3回目の逢瀬なのだが、ちいともうまいこといかない。それはさておき、彼女もやはり烏骨鶏にものすごい興味を示した。いきなり舌なめずり。夜用鶏小屋(凛の犬用ケージ)に鼻を突っ込み、ガブリ。烏骨鶏のお尻のふわふわ毛だったから良かったものの。おおこわ。

 本能やからしょうがないのやけど…。

 凛には安心し始めていた烏骨鶏たちも警戒態勢に入った。私も夜用鶏ケージの周りを鼻先が入らないように物で囲った。せっかく烏骨鶏番犬になりつつあった凛も先祖がえり?か、また吠え始めた。

 翌土曜日、私は休みだったので、烏骨鶏は日光浴を兼ねた庭の草掃除(草を鶏に食べてもらう)のため、移動ケージに入れた。早速ララは跳んで行き、ケージの縁で穴掘り開始。移動ケージは約3センチ四方の枠が連なったワイヤーラックなのだが、そこに鼻を突っ込みかぶろうとする。烏骨鶏は移動ゲージの中なら安全と思っていた様子だったが、びっくりして端には近寄らないようにしていた。

 そのうち移動ケージに噛みつき始めたララ。すごいオンナノコ。これは噛み切れないと諦めた様子。穴掘り再開。見つけると叱られてやめるが、私が見ていないと穴掘り再再開。凛太郎も真似して掘り始めた。困ったもんだ。

 ララ女は烏骨鶏が気になって気になって。
 穴掘りよりも烏骨鶏よりも凛太郎が気になっているのはララ女。ララ女が烏骨鶏に夢中のその後ろから凛太郎がチャンスとばかり子作りを開始しようとするが、成功したのは見たことがない。

烏骨鶏を狙ってララが掘った跡
写真の枯葉がうっすらと積もっている赤矢印のところがほとんどララ女の仕事の後

 ララ女は、毎夜激しく夜用ケージに攻め込もうとするので、23日、従兄が帰った後で、石油タンク保存箱の上、地上1メートルくらいにケージを移動。烏骨鶏にとっては上から犬を眺めるのが興味深いのか、皆ワンを見下ろしていた。その様子は「ちょっと優越感〜」というように見えた。

優越感で眺める烏骨鶏のみなさん

優越感で眺める烏骨鶏のみなさん

 ララ女はそれでも果敢によじ登るファイトを見せた。しかし、蛇腹の戸には歯が(足が)立たず、数分後に断念。2匹ともうるさいことうるさいこと。

 せっかくの凛の洗脳も元の木阿弥か・・・。

えさ箱と烏骨鶏のみなさん

安全を確認した後は何処吹く風と餌に集中する烏骨鶏たち

 凛太郎はララ女ほどの執着は見せないが、ララが鶏小屋に飛んでいくと、一緒になって鶏小屋についていく。ララ女も烏骨鶏の餌に大いに興味を示し、烏骨鶏がこぼして小屋の外にこぼれているのを食べた。糞も・・・。

 ある朝横着をして、犬を放したままで、夜用ケージから鶏小屋に移す時に、「暴れん坊将軍はつこ」が手から逃れて落ちた。すかさずララ女、がぶり。

 私もすぐに拾い上げたし、幸い身は噛まれていないようだったが、少し心配になって鶏小屋に様子を見にいった。
 はつこにはショックが大きかったのか、鶏小屋でも失敗したらしい。見にいった時にずぶ濡れになっていた。
 どうやら自分で飲み水をこぼしてかぶったらしい。はつこは他の烏骨鶏から離れてご飯も食べずにしょげていた。

 仲間の烏骨鶏に犬にかぶられたところを見られ、バカにされ仲間はずれにされたのか、そんな風情が少々あった。はつこにとっては泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目みたいな日である。犬には噛まれ、水には濡れ〜。

 あまりにずぶ濡れだったのでタオルで拭いてやると、少しだけ暴れ、後は大人しくしていた。拭いてもらうのが気持ちいいこととわかったのかもしれない。
 烏骨鶏たちには「ララ女危険、危険、危険」とラベルが貼られていることだろう。

危険なララ女

向かって右が危険なララ女

 私も気をつけて、以後は烏骨鶏を移動する時には必ず犬たちを室内にとじこめている。

 はつこはこの事件の後、2、3日だけ抱くと大人しくしていたが、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、また「暴れん坊将軍はつこ」に戻った。なんだかニンゲン的だ。

 コケコッコ始まる

 この頃、多分みどりだと思うのだが、朝にコケコッーーー コケコッーーと鳴くこと数回。ちょうど私の目覚まし時計の鳴るか鳴らないころで、そんなにも被害は受けていないが、起きてからケージの前に立ちはだかり「誰や鳴いたんわ!鳴いたらあかん、鳴いたらあかんでぇー」と教育的始動。
 その最中に鈴木さんが「こーーーーー、こーーーー」と力んで鳴き始めた。ウンチをきばるような「こ」の声の後は巻き舌のような声で決してきれいな声ではなかった。鈴木さんに向かい「鳴かんでええ!」と指導。

 鈴木さんはよほど頭がいいのか、私になついているのかは全く分からないが、私が抱くと「ピヨピヨ」と雛のような声を出す。そうするとめちゃくちゃかわいいので「ええこやなーずっとそういう風に鳴いてたらええんやでぇー」と洗脳している。そういう時の私の声もめちゃ甘になっている。

 教育的指導と移動する時に抱きながら「鳴いたらあかん、そんな声出したらあかん」と洗脳しているのが今のところ効果を発しているのか、その翌日にもう一度「コケコッーー」と鳴いたのが1羽いたが、それっきり静かである。

 と思っていたが、今朝1月6日、コーケッコと鳴き出した。今回はどの烏骨鶏が鳴いているのか見極めようと、じっと見ていたので誰が鳴いているのかがはっきりわかった。鈴木さんとはつこだった。首をヘビのようにくねらせながら声を出そうときばっている。
 「鳴かんといて、鳴いたらあかん!」と言えども聞かずに、声を出す練習を続けるものだからちょっと腹が立って、ケージをコツンと叩いたらやめてくれた。

 先行きちょっと不安。烏骨鶏に鳴くなと言うほうが理不尽この上ないことなんだろうけど。外で鳴くと間違いなく近所迷惑になるだろうしなー。

 ま、私が撒いた種やし。

 一度、近所の人に
「どうすんど、オスばっかり、食べるんか?絞め方知ってるか?」と聞かれた。
「名前までつけてるし、よう食べんと思う。よっぽどうるさくなったら山にほかしに行くかも」と返事しておいたが。もちろん絞め方は知らない。

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