物語の始まり
物語の始まり
烏骨鶏事始
2008年11月22日土曜日、近所にある愛農高校の収穫祭に行った。目的は愛農高校に隣接する「あいのう」(健康食品関係のお店)のセールだったのだが。セールのついでに収穫祭会場を愛犬凛太郎(ミニチュアダックス♂)と一緒にウロウロするというのがほぼ恒例になっている。
ウロウロしていたらダンボールの箱の中でピヨピヨ鳴いているヒヨコに遭遇。箱には「烏骨鶏のひよこ」と書いてあり、中にはヒヨコよりは大きな鶏が4羽いた。黒いのが1羽と白いのが3羽。
私には漠然とした夢があった。いつも行く近所の鶏舎「永井口農園」さんで、大分前に「卵をあんまり産まないようになった鶏やったら、いつでもあげるえ。ちゃんと産むし、オスを飼ったら、有精卵も産むし」と言ってもらったことがあった。
その時、どうせ飼うなら見た目が可愛いので烏骨鶏がいいなと心の中で思った。烏骨鶏を庭に放して飼い、草を食べてもらう、そして食べたことのない買うと思いっきり高い卵を産んでもらい、私が食べる。そんな漠然とした夢だった。
ひょっとして夢が叶うのだろうかと思いつつ、ダンボールの傍にいた婦人に聞いてみた。「これ売ってるんですか?」
売っていた。愛農高校・校舎建て替えのための資金集めとしてPTAの皆さんがバザーをしておられ、その中に烏骨鶏のヒヨコが出されていたのだ。
買うと随分高いだろうと思っていたので、まず値段を聞いたら、なんだかいくらでもいいみたいな。育て方も聞かねば、餌の事も、オス、メスの区別も聞かねばと思ったのだが、鶏の持ち主が不在。
ふと「鳥インフル」のことが頭をかすめたので、ダンボールの傍の婦人に「ちょっとあっちでタバコを吸ってきます。もう一度ここに来て、持ち主の方に出会わなかったらあきらめます」と言って、一服しに行った。やっぱりやめておこうかなと帰ってきたら、持ち主を探し出してくれてしまっていた。
話を聞いて、♂♀を聞いたら「多分これが♀で、これが♂だろう」と。予想は2対2だった。それならよかろう、万一♂でも、草を食べてもらえて、私の草抜きの仕事が減るしええわと、心も軽やかに4羽全部いただいて1000円。
ちなみにその子たちは今朝までお母さん烏骨鶏の後をついてまわっていたそうだ。
私も嬉しかったが、PTAの皆さんの間でも歓声があがった。なんでだろ~。
黒いのはあきらかに見分けがつくので、その場所で「鈴木さん」と命名。持ち主の方が鈴木さんだったので、御了解を得て名前をいただいた。一番小さいのはちいちゃん。一番背の高いのが「みどり」。そして一番凶暴なのに、なぜか「はつこ」と名づけた。
車に烏骨鶏を積み、帰り道で「永井口農園」さんに寄り、餌をわけてもらった。突然だったけど、気持ちよくわけていただいた。感謝。
凛太郎 鶏かぶる
家に着き、凛太郎のケージをとりあえずの住処にしてあげようとそこに入れた。鶏を抱くのは初めてで、暖かかくて気持ちいい抱きごこち。
あらかじめ聞いていた話では、こちらの説明したケージの高さなら飛んで出ないということだったので安心していた。4羽全部入れたら、凛太郎が激しく吠えたてた。そしたら烏骨鶏がケージから飛んで出た。
えっ 飛んだ? うわぁ~ えらいこっちゃ!
凛太郎はヒヨコ烏骨鶏を追いかけた。私はその後を追いかけた。烏骨鶏は低空飛行と早足で逃げる、凛は4つ足で追いかける。私は2本足で追いかける。
行って戻って逃げているヒヨコ烏骨鶏を保護。
「ああ、凛に噛まれんとよかった」とほっとしたのもつかの間。今度は鈴木さんが脱走。
鈴木さんが逃げる、凛太郎が追いかける、その後をまたもや私が追いかける。鈴木さんも凛の魔口から保護したが、凛の口には鈴木さんの黒い羽が。。。
かぶりよったんや。。。。
保護した2羽をはつことみどりが大人しく待っていたケージに入れて、上から蓋。これにはお風呂マットを使った。お風呂で古くなったマットは凛の外用マットになって、そこで汚れまくってから捨てられるという運命だったのだが、また飛び出して、凛が追いかけ回し、その後を私が追いかけることになっては私が困るので蓋。
凛は自分のケージとマットを鶏に盗られた。と思っているように見えた。
ミニチュアダックスはアナグマ猟のために改良された犬種なのだそうで、生餌と思って追いかけたのか、「卵産んだら一緒に食べよな」と言った私の言葉の「食べよ」に反応したのか。それともほとんど毎日のように食べている鶏肉の匂いがするのか。
話はそれるが、凛がマスターしている日本語は
食べる | 美味しい | チーズ | ケーキ | かわいい |
だっこ | ねんね | シッコ | ウンチ | 散歩 |
車 | あぶない | ももちゃん | ララちゃん | とりさんのお肉 |
豚さんのお肉 | かあちゃん | ねどこ | ご飯 | 耳掃除 |
などがある(ついでながら我が家では「牛さんのお肉」は死語に近い^^;)。ももちゃんとララちゃんは凛のガールフレンド。
「とりさんのお肉」は、凛のカリカリご飯の上に、グラム68円の特売の時に買う胸肉をローストしたものを指し、ほぼ毎日ワンご飯にトッピングされる。私が豚肉を食べるときは豚で、魚を食べるときは魚、カツオで出汁をとった時は出し殻のカツオがトッピングになる。凛にやるため、魚は素焼きで塩はふらない(母心)。
凛の頭の中では とり=食べるもの という図式ができあがっているのかもしれない。
凛太郎声かれる
そして烏骨鶏の来た日から3日間ほど、凛は烏骨鶏に吠えて、吠えて吠えまくり、近所の人が、何事かと見にくるほどに吠えまくり、とうとう声がカスカスになるまで吠えまくった。
その間、私に怒られまくって、とうとう吠えたら怒られるというのがわかるまでにはなった。でも本能を抑えることは犬にとっては難しいようで、随分とマシにはなったが、やはり吠える。
烏骨鶏の方はやってきた日だけは凛の吠え声にビビッていた様子だったが、ケージの中にいたら安全ということを2日目にマスターし、吠えていても平気で餌を食べるようになった。
烏骨鶏は、中々賢い生き物かもしれない。
おまけ 自家製ワン用胸肉のローストの作り方
胸肉を90度に温めたオーブン入れ50分ほどオーブンさんに焼いてもらうだけです^^;
それを1cm角くらいに切って冷凍。1個ずつレンジで30秒ほどチンをして、細かく裂いてトッピング